卵巣嚢腫（卵巣のう腫）で漢方薬を服用していて、お腹の痛みが軽減してきているという嬉しいお話が２つあります。
卵巣嚢腫は、大きくなり過ぎますと「卵巣茎捻転（らんそうけいねんてん）」を起こす可能性もでてきますので、主治医の先生の指示通りに、手術なども検討しながら経過観察をしていくことが一般的です。
卵巣がこぶし大の大きさになってきますと、お腹がポコンとふくらんだようになったり、下腹部やわき腹に「しこり」が触れることもあります。
太ってパンツやスカートが入らなくなったと思ったら、卵巣嚢腫だったということもあります。
卵巣が大きくなり過ぎますと、他の臓器を圧迫して便秘や頻尿、排便痛などを覚えることもありますし、さらに卵巣嚢腫が大きくなっていきますと、運動や日常生活の動作などがきっかけで、根元から「くるり」とねじれてしまうこともあります。
これが「茎捻転（けいねんてん）」と呼ばれる症状で、下腹部の激痛やショック状態を引き起こし、緊急手術が必要になることもあります。
卵巣の腫瘍の場合には、「沈黙の腫瘍」とも言われ、小さいうちには自覚症状がありません。
子宮がんの検診やおりものの検査などで、偶然に発見されることも多いです。
また片方の卵巣に腫瘍があって機能していなくても、もう片方が卵巣の働きをするために、妊娠してから分かるケースもあります。
卵巣嚢腫は、小さいもので良性と判断されれば、あわてて手術をしないで経過観察をしていけますし、腫瘍の部分だけを摘出すれば問題ないケースも多いです。
土屋薬局の漢方相談では、卵巣嚢腫の漢方薬の相談も比較的に多く寄せられます。
一般的には、経過観察の状態で「これ以上大きくしたくない」「なるべくだったら、手術をしたくない、延ばしたい」という理由で漢方療法を希望されます。
経過観察をしていて良性の場合には漢方療法では、①自覚症状の軽減 ②卵巣嚢腫への効果の２つを目標にしていきます。
自覚症状では、「腹部の痛み」などの不快な症状の軽減が目標です。
「通じざればすなわち痛む」ですから、何らかの原因で通じていないことを解消していけば、腹部の不快な症状が軽減していきます。
「通じていない」ことは、何が「通じていない」といえば、①血（血液のようなもの） ②気（神経の流れのようなもの） ③津液（体内の水分バランスのようなもの） のどれかがバランスが崩れていて、流れが「不通」になっていると認識します。
①血（けつ）の問題でいえば、血液がドロドロ、ネバネバとなっていて、血行不良の淤血（おけつ）があること。
活血化淤（かっけつかお）を使います。
②気の詰まり、たとえばストレスが多い方などには、「ストレスを緩和する漢方薬」を。
痛みが気になってくるようなときには、より気の巡りをスムーズにするなど気の詰まりの解消も大切です。
③津液の詰まりには、去湿化痰剤（きょしつかたんざい）のようなものをお勧めすることが多いです。
活血化淤（かっけつかお）で腹部の右側の痛みなどが軽減しているかたなどいらっしゃいます。
皮様嚢腫のかたでも、術前、術後と漢方を併用しながら、体全身の体調や生理のリズムも整えて、妊娠を目指しているかたもいらっしゃいます。
チョコレート嚢腫に関しましては、こちらは子宮内膜症ですので、「子宮内膜症｜漢方 カテゴリーの記事一覧 - 土屋薬局ブログ｜子宝と痛み」を参考にして頂ければ幸いです。
子宮内膜症のかたの場合には、約８０㌫くらいは卵巣に影響がありますので、チョコレート嚢腫になりやすいのです。
この場合にも、活血化淤という血液サラサラの浄化法により、「生理痛」や「腹部の不快感」の軽減を目標にしていきます。
２００５年３月６日撮影です。
若木山の山頂から、陸上自衛隊第六師団越しに眺める奥羽山脈です。
イラクから無事に帰ってきて、とても良かったと地元では喜んでおります。
…
＜２０１３年３月２９日追記＞
皮様のう腫のかたは、漢方を１年間根気よく続けれてその後、手術。
術後半年後に自然妊娠、そしてご出産されましてとても喜ばれました。(^^)
子宮内膜症｜漢方 カテゴリーの記事一覧 - 土屋薬局ブログ｜子宝と痛み
こちらのスレッドも参考になりましたら、幸いです。
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