土屋薬局ブログ|子宝漢方、痛みしびれ、気になる不調

土屋薬局ブログ。薬剤師・不妊カウンセラーの土屋幸太郎がお届けします。私自身、不妊体験を経て、漢方療法の力で子供に恵まれました。その経験を活かし、皆さんに健康で幸せな家庭を築くお手伝いをしたいと思っています。薬局には女性薬剤師も在籍し、気軽にご相談いただけます。健康に関するお悩み、不妊治療、妊活相談、痛みやしびれに関する漢方相談など、お気軽にご連絡ください。お問い合わせやご予約は☎️ 0237470033までお願いします。一緒に幸せな未来を築きましょう。

○漢方不妊症専門講座・PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)…その2

○漢方不妊症専門講座・PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の話の続きです。

2)PCOSで自然妊娠

BMI16とやせタイプ 30代

初潮から20歳後半までは生理不定

その後45日の生理周期で安定、28歳からは周期50日。

多嚢胞性卵巣症候群と診断される。

LHが高い。

経血量が少ない。

BBTは高くない、排卵日前後おりもの少ない。

舌ベロ 胖嫩 、歯痕、尖紅、苔薄白

中間期出血もみられる。

<漢方処方の考察>

血流たっぷりの養血調経の漢方薬と補中丸を全周期に服用。

卵胞期にはチャガ、血府逐淤丸、杞菊地黄丸など。

高温期には、参馬補腎丸などの漢方薬で補陽していきます。

PCOSは流産しやすいと考えられているので、高温期に次に人参と冬虫夏草製剤(双料参茸丸)と健脾安神(帰脾湯)で安胎効果を強めました。

「未病先防」の観点からです。

31日目で排卵となり、安胎法で無事にご出産に至った症例です。

BBTが低めのときには桂枝茯苓丸という活血化瘀の漢方薬など。

BBTが高めの場合には水快宝などの活血化瘀の漢方。

痰湿をとる処方には、桂枝茯苓丸にチャガを追加。

排卵期には補腎補血を中心に少し補陽の処方を。

チャガなどの漢方は、痰湿をとる。

<考察>

この方は、

痩せ型(BMI16)

LH>FSH

BBTが低くて卵胞期の体温が安定している。

おりものが少ない。

などがありました。

<南京の周期療法の名医・夏桂成先生の指摘>

PCOSは月経失調、閉経、不妊症にもなる。

腎虚(じんきょ)、脾虚(ひきょ)、肝鬱(かんうつ)、痰湿(たんしつ)、血淤(けつお)、鬱熱(うつねつ)の原因がみられる。

治療原則は、陰虚火旺(いんきょかおう)のときには滋陰降火、湿熱下注のときには清熱利湿、心脾両虚には補益心脾です。

この方の場合には、痩せ型になるので、「腎気虚、脾気虚気滞淤血」です。

PCOSは流産しやすいと言われてます。

一度、この方が流産されたときには染色体異常と言われました。

中医学、中国漢方的には、「腎気虚弱、気血不足」から腎の固摂作用が弱く、気血不足による脾の統血作用が弱く、衝任が十分に満たされずに固持できなかったものと考えられる。

無事に出産されて喜ばしいです。

「安胎は未病先防の観点から」

満開のそば畑と蔵王

<2011年9月25日 満開のそば畑と蔵王