こんにちは。
土屋薬局、薬剤師、不妊カウンセラーの土屋幸太郎です。
先週の11月24日にいつも漢方相談にご来店して頂いているお客様が、胃のムカつき、そしてのどのつかえ感があり、ゲップや重苦しい感じもあるとおっしゃっていました。
舌ベロの状態は、舌の色は痰紅で尖紅、つまり舌ベロの尖(さき)に赤みがあって、心に熱があり、ストレスなどの症状も推測できたのでした。
苔は薄白(はくはく)でまだ白苔や白膩苔など、痰湿(たんしつ)がいっぱい溜っている症状はありません。
胃のムカつきやのどのつかえは2~3週間続いています。
食べられるけれども食事の量が減った感じです。
朝方に目が早く覚めることがあります。
通じは問題ありません。
ここでいつもご愛用されている婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)というシロップの漢方に、プラスして痰を解消していくイスクラ温胆湯(うんたんとう)という漢方薬の併用をお勧めしました。
温胆湯は、体の乱れた気の流れ、とくに胃気(いき)が本来ならば下降して収まっていくところが病理的に上部に上逆している症状を改善していく漢方処方です。
胃の気が流れがスムーズでなくて、上に上がっているので吐き気やムカつき、ゲップ、重苦しい感じやのどのつかえ感を感じるようになってくるのです。
処方されている漢方生薬の竹茹(ちくじょ)、半夏(はんげ)は吐き気を止めることに働き胃気(いき)を調整し、陳皮(ちんぴ)や茯苓(ぶくりょう)、枳実(きじつ)、生姜は胃腸周りの余計な痰濁(たんだく)を解消して胃気をスムーズに下降させます。
酸棗仁(さんそうにん)はストレスで悩みがちや、喉のつかえ感などはストレスもありますから、そのストレスや憂鬱な気持ちを解消して、黄連(おうれん)は苦い味で精神を整えつつ、胃腸もスッキリとさせて心の熱を解消していきます。
総じて、のどのつかえ感など胃腸虚弱者の不眠や神経症にも応用される漢方処方となっています。
本日の11月30日に来店されましたのでお話をお伺いしてみると、胃のムカつき、のどのつかえ感はだいぶ良くなって気にならなくなったそうです。
温胆湯は、さまざまに応用が広い漢方処方、漢方薬なので、私は最近、いろいろと使い方を研究している毎日です。
(漢方薬では今回のようなケースは梅核気(ばいかくき)、またはヒステリー球症候群などと呼んでいるようです)
<2011年11月18日 若木神社の紅葉>