ブログ版土屋薬局 中国漢方通信

土屋薬局ブログ。薬剤師・不妊カウンセラーの土屋幸太郎がお届けします。私自身、不妊体験を経て、漢方療法の力で子供に恵まれました。その経験を活かし、皆さんに健康で幸せな家庭を築くお手伝いをしたいと思っています。薬局には女性薬剤師も在籍し、気軽にご相談いただけます。健康に関するお悩み、不妊治療、妊活相談、痛みやしびれに関する漢方相談など、お気軽にご連絡ください。お問い合わせやご予約は☎️ 0237470033までお願いします。一緒に幸せな未来を築きましょう。

不妊症における痤瘡、ニキビ、吹き出物と生理不順の関連性について漢方的な考察

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月山が綺麗に眺められる一日になりそうです。

 

米沢のお客様から頂戴した「漢方を飲んでよかった」体験談です。

 

体があたたまりやすくなった

生理痛がらくになった

吹き出物が少なくなった

 

漢方を服用した結果、体が温まり、生理痛が楽になったことはとても素晴らしいことですね!

今日は、「吹き出物が少なくなった」ことについて検討していきたいと思います。

  

最近、熟読している柴松岩先生の著作より。

 

中国語の本より、私こと土屋幸太郎が中国語の漢方の本を日本語に訳していきます。

 

もちろん中国語の勉強はしておりませんので、根底にあるのは漢方の源流である中医学への飽くなき追求、探究心が旺盛なことです。

 

幸いにも中国と日本は同じ漢字文化であり、禅などの仏教や食生活や生活習慣など、非常に共通点がありますので、気合いさえあれば中医学の本であれば、iPhoneの翻訳アプリの助けもありますが、いつの間にか読めるようになってきました。

 

中国語の原書で中医学、中国の漢方文化に触れられることは相当な情報量を持つことです。柴松岩先生でいえば、駅前北京中医院に留学しているようなもので、前書きによれば先生は、他からくる弟子をとらないそうですから、こうして中国語で不妊症の中医漢方理論に触れられることは非常に貴重な時間です。

 

「月経先期を伴う痤瘡案一例」

  

近年来、私たちの生活レベルが上がり、私たちの生活は快適に過ごせる反面、随分と女性たちを取り巻く環境は忙しく慌ただしくなるなかで、女性の面部痤瘡(ニキビ、面皰)を伴う月経不調者が次第に増加してきている。 ニキビ.にきびと生理不順、月経障害の二病は往往にして密接にリンク、相関している。患者は月経不調で診察に訪れるとそれと同程度に痤瘡、ニキビや吹き出物などの皮膚疾患が見受けられる。 

 

あるいは痤瘡、ニキビで診察に訪れると月経不調、生理不順を伴っていることも、しばし体験することである。婦人科、皮膚科の問診について常に見受けられる現象である。

 現代医学でも両者は密接に関連していると認識している。 

 

女性の痤瘡患者にホルモンレベルではアンドロゲン、つまりテステスロンの男性ホルモンが過剰であり、往往にして月経周期の変化を引き起こす。 

表現では月経前の症状や月経不調、経血量減少、あるいは早発閉経などである。

痤瘡は伝統医学の文献では早期の記載として「面痤瘡者、面に風熱の気が上がり痤瘡が生まれる。頭には米粒大ような、また大きい谷(クレーター)ようであり、白色のものである」

 

本病は肺胃薀熱であり、排泄がうまくいかない、また痰湿阻滞、痰瘀がお互いに阻滞して引き起こされる。

老師は指摘する。 

痤瘡の発生は女性は往往にして月経と相関がある。或は月経不調を伴う事を見る。 或は経前に発病が重くなる。この種の現象は重要視される。

  

<婦人大全良方>には「およそ婦人の医療においては、治療を始めるにはまず調経が先である」とある。

 しかしながら老師は曰く「まず先に調経の前に先病を治し、病が癒えたら月経は自ずと整う」 

もし月経不調がもとからある場合には、先に調経する。月経が整えば病は自ら癒える」

正確には先に先病があり月経不調になっているか、または或は月経不調(生理不順)により病が発生するか、そのときに具体的に臨床においては、根拠は患者の発病特点であり、弁証論治で調べていく。

  

これらは中医の正確な治療の具体的な体現である。月経先期(月経周期が28日よりも短いこと)と面部痤瘡の二病は相伴的な中医治療であり、この原則に基づく。 

本案の患者は肺系の熱盛衝任伏熱により月経が先期となり、先病があって後に月経不調になることに属している。

故に患者の男性ホルモンは高く(アンドロゲン、つまりテステスロンのこと)、幼い時から長期に渡り、辛いもの、辛辣なものを喜んで食べる飲食習慣があり、本案は長期に渡り月経が28日よりも短いことと(月経先期)と後に相伴、面部痤瘡の根本的な原因である。

本案に類似している肺系の熱盛の証は、老師は清解の方法をとる。

 

常用は、野菊花、桔梗、川貝母、夏枯草、牡丹皮、竹葉、茅根、蓮子心、金銀花(双花)、木蝴蝶、欝金、槐花など肺系や心系に諸薬入り、清解血熱、肺も治す。

血熱(けつねつ)は除去され、衝任は安静となり、経期は自然の如くなり、痤瘡は解を得る。

 

若い女性の面部の痤瘡、ニキビの治療する時期について

 

老師は指摘する。

 

本案は発病してからの期間が短かった。病の勢いは強かった。然しながら病の情勢は活動期にあり、この時期に治療が及んだ。また或は皮膚の形態が改善した。予後は良好です。もし病の持続が日久不治であるならば、局部は皮損する恐れがあり、修復は困難であった、これは同情すべき遺憾なことである。

 

<まとめ> 

生理周期が良くなるとは、吹き出物やニキビが良くなることであり、またニキビ、痤瘡が良くなることは生理周期が整うことに繋がります。

昔から、頑固なニキビの場合には、ニキビの漢方が効かず、すなわち治らず。

しかしながら、月経周期を整える方法。

月経周期療法で、月経期、卵胞期、排卵期、黄体期と整えていった結果、ニキビも綺麗になるケースしばし体験しています。

PCOS多嚢胞性卵巣症候群の場合にも、痤瘡、ニキビが良くなること、つまり陽熱、陽毒の改善はLH高値、男性ホルモンが高いことの改善にも繋がっていきます。