ブログ版土屋薬局 中国漢方通信

土屋薬局ブログ。薬剤師・不妊カウンセラーの土屋幸太郎がお届けします。私自身、不妊体験を経て、漢方療法の力で子供に恵まれました。その経験を活かし、皆さんに健康で幸せな家庭を築くお手伝いをしたいと思っています。薬局には女性薬剤師も在籍し、気軽にご相談いただけます。健康に関するお悩み、不妊治療、妊活相談、痛みやしびれに関する漢方相談など、お気軽にご連絡ください。お問い合わせやご予約は☎️ 0237470033までお願いします。一緒に幸せな未来を築きましょう。

POF(早発閉経)の漢方検討会…悪性リンパ腫、急性骨髄性白血病

こんにちは。

薬剤師、不妊カウンセラーの土屋幸太郎です。

今日の2015年10月29日は午後から東京から何先生をお迎えして、漢方ミニ勉強会を店内でします。

最近は妻がおもに黄帝内経素問を習っていますが、私も何先生のお陰で中医学の理論が肌身につきました。

中医学、つまり漢方医学の勉強は読書など本も読むことも大切ですが、分かっている優れた先生から口伝で習うことも大切です。

ちょっとした一言が印象に残って、後々まで記憶に残り、それが漢方相談のときに力を発揮することもございます。

さて、一昨日の火曜日の夜に中医不妊症お茶の間講座 薔薇グループ POF(早発閉経)の中国漢方対策を勉強しました。

いまは体外受精などの地域で有名な不妊専門の体外受精に力を入れているクリニックに通って、排卵誘発、採卵に挑戦している方も多い時代ではないでしょうか。

アートクリニックとか多いですよね。

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<2015年10月27日火曜日> 20~22時

3名の全国の不妊症に強い漢方薬局の先生方が症例を発表されました。

POF(早発閉経)の漢方検討会にて私がメモしたこと、印象に残ったことをログしていきたいです。

1)39歳 2人目不妊 無月経

向精神薬を服用していて、できるだけ減らすような方向で努力しながらお子様を授かる治療をされています。

漢方薬は、婦宝当帰膠、心脾顆粒、麦味参顆粒、甘麦大棗湯など

<テューターの陳先生からのまとめです>

1つは漢方薬で生理周期、月経周期を整える事

プロラクチンが高い可能性がある。→高プロラクチン血症(または潜在性高プロラクチン血症)は排卵障害、黄体機能不全になる可能性がある。

麦芽(いりばくが)を多めに使う。

漢方薬理気(りき)も必要…逍遥丸(しょうようがん)など

肥満の場合には痰湿(たんしつ)だから、排卵障害、黄体機能不全にもなりやすい。

化痰(かたん)が必要…温胆湯がいい、痰湿(たんしつ)をとり安神効果がある。

またはチャガもいい

主人も大事…奥さんだけの問題ではないかもしれません。

気血不足(きけつぶそく)…肝(かん)は蔵血(ぞうけつ)、疏泄(そせつ)作用がある。

逍遥丸(しょうようがん)は補血理気(ほけつりき)なので女性のうつ症状に一番とよい

逍遥丸は積極的に使うべき

+炒麦芽

漢方薬の温胆湯(うんたんとう)も眠れないときには、昼夜などに加える。

本人の症状に合わせて漢方薬を使い分ける。

顔ののぼせ→気滞血淤で加味逍遥散がいい

または逍遥丸

足は冷たいので本質は「熱」ではない。

補腎(ほじん)  排卵前には亀鹿仙(きろくせん)など

ずっと飲むもの…婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)、逍遥丸、補腎薬(ほじんやく)

+症状に応じて加減するもの…温胆湯など

うまく本人の症状に漢方薬を合わせていくべき

2)40歳 結婚8ヶ月 若いときに無月経になったことがある。

<テューターの陳先生からのまとめです>

稽留流産…卵の質が悪い、精子の質が悪い。

または40歳以降など年齢の問題

甲状腺機能も考慮する。

瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)→すぐに使わない、舌診と合わせて使う、陰虚火旺に

BBTが高くても、寝るのが遅かったり、起床が遅いとBBTが高くなる。

○会員店の先生からの質問

「亀鹿(きろくせん)と瀉火補腎丸の使い分けは?」

○テューターの陳先生の回答

「亀鹿仙は補陰がメイン、陰虚陽亢(いんきょようこう)に。

つまり陰と陽が仲良くなる。

熱を取り除くのではない、正常に戻すこと。

体を冷やしたり、性腺軸を抑制するのはよくないです。」

3)悪性リンパ腫にかかって化学療法、幹細胞移植のために放射線を浴びて月経が止まったかたや急性骨髄性白血病などにかかって以上の理由から早発閉経(POF)になった方など。POF(早発閉経)の漢方対策は?

<テューターの陳先生からのまとめです>

若いときに悪性腫瘍になった。

以上の方たちの規則性はない。

中国漢方では先天的な腎虚(じんきょ)と考え、補腎(ほじん)が大事。

免疫力も考える。

長期間生理が止まる…腎虚+気血不足+瘀血おけつ(淤血の場合にはピルの長期服用が原因だからメインの証ではない)

おもに虚がメイン

補腎精+陰陽双補(いんようそうほ)

漢方薬の参茸補血丸(さんじょうほけつがん)は非常に良い。

化学療法の副作用を軽減する。

双料参茸丸(そうりょうさんじょうがん)もとても良い。

化学療法は熱を生じる→陰虚が進む→まずは補陰(ほいん)

元気がなければ補陽(ほよう)も必要

服用方法の一例

Aパターン   朝は漢方の補陽、夜は漢方の補陰

Bパターン   ある一定の程度漢方薬で補陰(ほいん)して、その後に漢方薬の補陽薬(ほようやく)で月経周期を作っていく

以上、POF,早発閉経などを含む中国漢方式漢方対策の漢方薬局勉強会のまとめでした。

POF・早発閉経に効く漢方薬、妊娠」 

早発閉経・卵巣機能不全の漢方対策/FSHが高くてAMHが少なめの漢方対策/卵巣機能を高める

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