常連のお客様からお父様の便秘につきまして漢方相談を受けました。
便秘の漢方相談、実は難しいです。
東京にお電話しましたら師匠の何先生がいらっしゃいましたので、教えて頂きました。
ログしていきます。
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土屋 「お客様のお父様、90代で便秘です。過去に心筋梗塞、ペースメーカーも入れています。きちんと近くの病院に通院して、下剤やツムラの漢方薬も処方されているそうです。お気軽にアドバイスください」
何先生からのご回答
「お父様の便秘には、冷え(陽虚)と気虚があります。
一般的な便秘薬の大黄、アロエ、センナはお腹を冷やします。
お腹の大腸が怠け者になる。
1つのお勧めする方法としましては、麻子仁丸+大建中湯です。
大建中湯はお腹を温める。
+少量の健胃顆粒を入れたほうがいい。
健胃顆粒は胃にも腸にも働く。
これがもし効かないようば場合には少し調整する必要がある。
麻子仁丸+十全大補湯
お腹を温めて大腸の働きを良くする。
大腸の働きを回復させる。
大腸の気を補う。
ただし十全大補湯を使ったらガスが出やすくなります。
この季節は便の出が悪くなりやすい。
夏は湿度が高い。
秋は乾燥の季節。」
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土屋
「何先生、最近、中国語の本を読んでいると「松」という言葉が気になります。
とくに「放松」という言葉が養生法に多いようです。
「松」とはリラックスを意味して、そしてなんで日本語では「松の木」の「松」の文字が中国語ではリラックスを意味するのでしょうか?」
何先生
「いい言葉をご存知ですね。
「緊張」の反対の言葉が「松」です。
リラックスという意味になります。
つまり「松の木」のように下はどっしりとしていますが、上は空に手を挙げるように伸び伸びするという感じでしょうか。
枝が広がる、キュッと緊張した握った手を広げていく緊張が解けた状態です。
「松」とは身体のリラックスを指します」
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<追記です>
「放松」とは子宝の不妊症の漢方相談では、心理面への中医養生法の1つです。
たとえば「放松心情、避免焦慮」と言われます。
不妊症の場合には長年の長期の不妊や不育で家族や社会からの圧迫があり、各方面からのプレッシャーがあり、容易に情緒が抑うつ状態になりやすい。
不安状態が続きやすい。
とくに体外受精をするときは更に緊張が続くことになる。
家族は患者さんに不要な圧迫、プレッシャーを欠けずに身体を休められるように関心を持つべきです。
各々は平常心を失わず、リラックスを心がければ妊娠しやすくなってきます。
…などと中医婦人科の中国語の本に書かれています。
この「放松」が緊張の反対、心を緩める。リラックスするという意味になります。