ブログ版土屋薬局 中国漢方通信

土屋薬局ブログ。薬剤師・不妊カウンセラーの土屋幸太郎がお届けします。私自身、不妊体験を経て、漢方療法の力で子供に恵まれました。その経験を活かし、皆さんに健康で幸せな家庭を築くお手伝いをしたいと思っています。薬局には女性薬剤師も在籍し、気軽にご相談いただけます。健康に関するお悩み、不妊治療、妊活相談、痛みやしびれに関する漢方相談など、お気軽にご連絡ください。お問い合わせやご予約は☎️ 0237470033までお願いします。一緒に幸せな未来を築きましょう。

補腎薬のカゼの予防の話とウエル・エイジングの話

今日の午前中に土屋薬局の漢方薬の常連のお客様 Kさまがいらっしゃいました。

年配のかたですが、長年ずっと「腎精(じんせい)」を補う補腎薬(ほじんやく)を服用しています。

五臓の「腎(じん)」は、五臓のうちで最も重要です。

「腎(じん)」は生命力をつかさどるシステムで、生命活動力を維持する基本的栄養物質である「精(せい)」を貯蔵し、体全身に「精力(せいりょく)」を与え、粘り強さや根気を生み出します。

この「精(せい)」は、生殖の「精(せい)」でもあるのですが、下半身の元気もつかさどっています。

腎の精(せい)が不足しますと、腎精虚(じんせいきょ)、つまり一般的には腎虚(じんきょ)と言われますが、

「顔色がさえず、疲れやすい、頑張りがきかない、このところ精力減退を感じる。

若い頃と違って冷え症になってきた。

足、腰、目が衰えてきた…」などになりやすくなってきます。

さて、Kさまは、今回の当店のDMを読んで、「カゼをひきやすいので、カゼの予防をしたい」というリクエストで、当店には「勉強に来た」そうです。

有難いことです。

DMのほうには、「体の体表面を防衛する衛気(えき)」を充足していく漢方が紹介されていたのですが、思わず私は素直に

「Kさん、こちらの今の補腎薬をずっとお続けになったほうがいいです」

五臓の腎(じん)は、若さを保つ働きもありますし、腎が根本的な陽気(ようき)の源になっています。

腎臓の経絡は、背中に大きくバイパスのように流れていて、腎虚(じんきょ)になりますと、陽気不足になりますので、のどが弱くなってカゼをひきやすくなってしまうのです。

それに、補腎していると、髪の毛や耳や目の衰え防止、腰痛や足腰の痛みの防止、骨粗鬆症前立腺、腎臓病の予防、難病予防にも役立ちますので、お勧めです。」

と説明しました。

今までは、常用量の半分くらいを朝晩に服用していましたが、これからはもう少し量を増やして、なお補腎(ほじん)を続けていくそうです。

Kさんの目は、キラリと光っていたのでした。(笑)

私も、その補腎薬は愛用していまして、「アンチ・エイジング」ならぬ、「ウエル・エイジング」で生きていこうと決めています。

どうしても、世の風潮は「若さが一番」「若者が大切」「若者がすべて」になりやすいですが、いえいえ、年配の高齢者のかたは、「知恵の塊」ですし、「人間経験」がそこらへんの若輩者とは違うのです。

「アンチ・エイジング」は、老化は罪だというような誤った考えから始まっていると思います。

誰でも年をとるのですから、少しでも年相応の経験に見合った「良い歳」をとりたいものです。

つまり「ウエル・エイジング」の時代だと思うのです。

Kさまと私は、二人で「ウエル・エイジング」で良い歳をとっていき、若さを保っていきましょう!と妙に同士になった感じで、Kさまは納得して帰路に着いたのでした。

大石田川前地区 「雪の晴れ間」

<2008年1月20日 大石田川前地区 「雪の晴れ間」>

「川の堤防の積雪」

「川の堤防の積雪」