土屋薬局ブログ|子宝漢方、痛みしびれ、気になる不調

土屋薬局ブログ。薬剤師・不妊カウンセラーの土屋幸太郎がお届けします。私自身、不妊体験を経て、漢方療法の力で子供に恵まれました。その経験を活かし、皆さんに健康で幸せな家庭を築くお手伝いをしたいと思っています。薬局には女性薬剤師も在籍し、気軽にご相談いただけます。健康に関するお悩み、不妊治療、妊活相談、痛みやしびれに関する漢方相談など、お気軽にご連絡ください。お問い合わせやご予約は☎️ 0237470033までお願いします。一緒に幸せな未来を築きましょう。

黄体機能不全の漢方薬相談の土屋薬局での成功例、妊娠のお話です

昨年の2016年11月24日の夕方のお話です。

東根市内のお客様が不妊症の漢方薬相談に立ち寄って頂きました。

先週から高温期がずっと続いていたので気にしていたのですが、妊娠5週目、2ヶ月と産婦人科で診断されてきたそうです。

黄体機能不全対策の漢方薬での改善、黄体機能不全に効果ありです!

不妊症の漢方早わかり/子宝漢方のツボもぜひ参考に)

おめでとうございます。

黄体機能不全でP4(黄体ホルモン)が5.0ng/mlと少なめでした。

不妊症の漢方薬相談に来られた当初は、前の周期はデュファストンとHCG注射2回。

漢方薬は、イスクラ婦宝当帰膠、オリジンP、杞菊顆粒。

高温期になったら再来店頂いて土屋薬局のオリジナルマカ。

その後、10月は疲れにくくなった。

基礎体温は低温期が高めで36.5℃以上あるので、杞菊顆粒に二至丹と、排卵期に活血の漢方薬

11月1日は、今週期は2回目のデュファストン内服。

それに土屋薬局からオリジンPというプラセンタの漢方薬

杞菊顆粒でも高温期の伴奏をちょっとつけたら、調子が良い感じ。

月経周期26日目で妊娠したかも!?

漢方薬はその後、基本方針を守って継続。

ほんとに最短での妊娠報告でした!

おめでとうございます!

<黄体機能不全による着床障害、黄体機能不全による不妊は約1割>

◯黄体から分泌されるプロゲステロンが着床を促す

排卵後に残存した卵胞の細胞は黄体細胞とよばれるものに変化する。この黄体からプロゲステロンエストロゲンが分泌され、子宮内膜を増殖期内膜から着床に必要な分泌機内膜という状態に変化させる。

とくに重要なのはプロゲステロンとよばれる黄体ホルモンで排卵前の約30倍も分泌され、子宮内膜を着床可能な環境にする。

基礎体温表の変化はプロゲステロンのレベルを反映する。

プロゲステロンは体温中枢に作用して体温を上昇させる作用もあり、体温の変化はプロゲステロンのレベルを反映する。黄体の働きが悪くて十分にホルモンが分泌されない場合や子宮内膜がホルモンに反応しない場合には黄体機能不全による不妊と呼ぶ。

不妊患者の約10%に相当する。

血中プロゲステロン値 

卵胞期 0・5ng/ml

排卵直後 3~5ng/ml →基礎体温表が上昇し始める

黄体期中期 10~20ng/ml →着床に望ましい子宮内膜を形成

黄体中期の血中プロゲステロン値は10ng/mlをこえるのが正常とされるが、一般的に15ng/ml以上のレベルに達することが多い。黄体期プロゲステロンが少なくとも7ng/ml以上なければ妊娠の継続は難しいとされる、

基礎体温表の高温期が10日以上続けなければ黄体機能不全を疑う

排卵があったとしても高温期が10日以上持続しなければ黄体機能不全と診断され、着床障害の原因となることがある。

基礎体温表でわかること

排卵の有無がわかる

毎月のパターンから排卵日の予測ができる

黄体機能不全の有無がわかる

不正出血の原因を推測することができる

低温相は12~18日間ほどが望ましい。

21日以上も持続している場合には卵胞発育の遅延を考える。

高温相は10日以上持続することが望ましい。

9日未満であれば黄体機能不全を疑う。

◯黄体機能不全による着床障害に対する治療法について

黄体機能不全には基礎体温表が上昇した後に黄体ホルモン(内服など)を投与して分泌期内膜への変化を促すか、あるいはHCG(絨毛性性腺刺激ホルモン)を排卵期と黄体期に注射し黄体の形成と機能の維持をはかる方法がとられる。

◯卵胞成熟の異常に続いて黄体機能不全が起こる場合にはクロミフェンが有効である。

黄体機能不全が卵胞期の卵胞成熟の異常に続発する場合もあるが、そのような場合にはクロミフェンを用いて卵胞の成熟を促すことも必要である。

黄体機能不全とは、黄体から分泌される黄体ホルモンの産生、あるいは効果が低下しているため。

黄体期の短縮や子宮内膜分泌期変化の障害となっている状態

◯黄体機能不全を伴う習慣流産について

習慣流産の20~30%に子宮内膜の分泌期内膜への変化の遅延が認められると報告されている。

黄体機能不全による子宮内膜の分化の遅延は流産の原因としても着床障害に基づく不妊原因と考えるほうだ妥当です。

黄体→プロゲステロン産生不足→卵巣黄体機能不全→子宮内膜機能不全

        ↓

     子宮内膜の反応が低下→子宮内膜機能不全(卵巣機能不全に続発している)

黄体ホルモン不足→☓体温中枢の障害→☓基礎体温上昇→高温期短縮、低温相と高温相の差が小さい

黄体ホルモン不足→☓子宮内膜の障害→☓分泌期内膜(着床しやすい状態)→不妊、流産

<黄体機能不全の原因(西洋医学)>

FSH,LH分泌不足

プロラクチン(PRL)が高い

子宮内膜症

医原性

流産

視床下部─下垂体ホルモンの分泌失調 プロラクチンが高くても黄体機能不全をおこす。

FSH低下→卵胞発育不良、子宮内膜にも影響を与える。

クロミッドによる黄体機能不全

子宮内膜症の黄体機能不全

プロラクチンが上がり、LHが下がる。黄体機能不全になる。

子宮内膜症が卵巣に発生→卵巣機能不全→卵胞発育不良→排卵障害→黄体機能不全

                     ↓

                   E2↓ →子宮内膜発育不全

流産、掻爬→子宮内膜の損傷→生殖軸の失調→性ホルモン低下→黄体機能不全

中医学における黄体機能不全>

風寒、寒湿侵入、先天腎気不足、大病・久病、早衰・老化、心身疲労・精気損傷、過度の性生活・流産・掻爬、情緒失調など

<黄体機能不全の漢方薬的な弁証>

虚寒型と虚熱型の2つ

虚寒型→腎陽不足…冷え性、生理周期が遅れがち、舌は淡い色

虚熱型→陰虚火旺…暑がり、舌は紅い、生理周期が早まりがち、不正出血

兼証としては、

肝鬱火…不眠、不安、乳頭張痛、頭痛

痰湿脂濁…肥満、月経量少、薄いおりもの、苔 白膩、黄膩

瘀血内結…レバー状の血塊、張痛、淤斑、卵巣嚢腫など

黄体機能不全の産婦人科での診断

黄体機能不全の一般症状→不妊、流産、不正出血、生理周期失調など

ホルモン検査 高温期中期のプロゲステロン(P)が10ng/ml以下

子宮内膜検査 

1)黄体期超音波検査で子宮内膜厚が9mm以下または子宮内膜像がパターンV,Ⅵ以外

2)内膜日付診

基礎体温表(BBT)

1)高温期が12日未満

2)低温期と高温期の温度差が0・3℃以下

3)高温期への以降がゆるやか >3日間

4)高温期不安定、温度(体温)の変動が >0・2℃

黄体機能不全の基本治療方法

補腎陽(おんぽじんよう)、滋陰(じいん)をもって佐とす…

滋陰降火(じいんこうか)、陰中護陽(いんちゅうごよう)